あまの内科クリニック|吹田市山田西2丁目金陵メディカルビル2階|一般内科 消化器内科 内視鏡内科
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ピロリ菌検査・除菌

ピロリ菌とは

正式にはヘリコバクター・ピロリと呼ばれている細菌がピロリ菌です。ピロリ菌にはウレアーゼと呼ばれる酵素を自ら産生する能力があり、胃の粘液中の尿素をアンモニアと二酸化炭素に分解、そのアンモニアによって胃酸を中和していくことで胃内での生息を可能にしています。

家庭内感染に注意

ピロリ菌が感染する経路につきましては、完全に特定されたわけではありませんが、多くは経口によって幼児期に感染すると考えられています。なぜなら幼児期は、胃の免疫機能が発達途上であることなどから胃内の酸性が弱い状態にあるためです。そのようなことから、昔は井戸水などの生活による感染が多いと言われていましたが、現在の感染経路は家庭内感染が挙げられ、具体的にはピロリ菌保持者でもある保護者から小さいお子様への口移しなどをすることで感染するなどのことが考えられています。
ピロリ菌に感染したとしても、何かしらの症状が速やかに現れるということはありません。しかし、ピロリ菌には、胃・十二指腸潰瘍、慢性胃炎、胃がんなどの消化器疾患に多くの確率で関与しています。そのため、ピロリ菌による感染の有無を調べる検査で、感染が確認されたら直ちに除菌治療を行うことが望ましいです。

ピロリ菌の検査について

ピロリ菌の検査につきましては、内視鏡を用いて調べる検査と内視鏡を使用しないで感染の有無を判定する方法の2通りがあります。

内視鏡を用いる検査

ピロリ菌の感染の有無を内視鏡を用いて行う検査では、内視鏡で胃内の一部を採取し、下記のいずれかの検査を行うことで、感染の有無を判定します。

迅速ウレアーゼ試験 ピロリ菌がもつウレアーゼによって作られるアンモニアの量を調べることで、感染の有無を調べます。
培養法 内視鏡で採取した胃粘膜の組織を培養、ピロリ菌が増える否かで菌の有無を調べます。
組織鏡検法 採取した胃粘膜の組織を顕微鏡で観察し、ピロリ菌の有無を調べます。

内視鏡を用いない検査

内視鏡を使用しない場合、以下のいずれかの検査が行われます。

尿素呼気試験法 呼気(吐き出した息)から、その中に含まれるとされる二酸化炭素の量を調べることで、ピロリ菌感染の有無を調べます。
抗体測定法 尿や血液からピロリ菌に対する抗体の有無を調べます。
抗原測定法 糞便中のピロリ菌抗原の有無を調べます。

除菌治療に関して

ピロリ菌の検査の結果、その感染が確認されたら、速やかに除菌治療が行います。治療は薬物療法でプロトンポンプ阻害剤(胃酸を抑える薬)と2種類の抗生物質の計3種類で、朝と夕の1日2回、1週間内服していきます。これを一次除菌と言います。そして1週間の服用を終え、2ヵ月ほど経過した後に除菌判定の検査を行います。
その結果、除菌がされていなければ、薬の種類を代えて再び1週間内服し、その2ヵ月後ぐらいに再度除菌判定の検査を行います。なお除菌率に関しては、1次除菌で70~80%程度、2次除菌で90%程度と言われています。
 保険で行える治療は1次除菌と2次除菌だけですが、除菌できなかった方には自費治療になりますが、3次以降の治療の行うことは可能です。
ちなみに除菌治療が成功したとしても胃がんなどの消化器疾患を発症するリスクがなくなったということはありません。そのため、1年に1回など定期的に内視鏡検査を受けるなどして、経過を観察するようにしてください。


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