当院では予防接種として、インフルエンザや肺炎球菌や風疹などのワクチン接種を適宜行っています。
インフルエンザとは、飛沫感染や接触感染などによってインフルエンザウイルスに感染して発症する疾患です。 感染後は1～2日間ほどの潜伏期間を経て発症し、高熱（38℃以上）、悪寒、頭痛、関節痛、倦怠感などの全身症状がみられるほか、咳、痰などの症状もみられることがあります。通常は3～7日間ほど症状が続いた後治癒に向かいますが、小児やご年配の方、基礎疾患をお持ちの方は気管支炎や肺炎の併発、ひどい場合は脳炎や心不全を発症し重症化することもあります。
このように重症化もしかねないインフルエンザをなるべく発症しない対策として最も有効と言われているのが、流行前のインフルエンザワクチンによる予防接種です。なおインフルエンザは毎年少しずつ性質を変え、また異なるタイプが流行します。そのため、この予防接種は毎年行う必要があります。
インフルエンザワクチンは、効果を最大にするためには接種時期も大切です。インフルエンザが流行するのは12月～翌3月頃です。またインフルエンザワクチン1回の接種による持続期間は約5ヵ月、接種後に効果が出るまでに約2週間かかります。そのため10月から12月頃に受けるのが望ましく、この時期の接種は高い効果が見込めます。ただし接種をしたとしても油断は禁物です。手洗いやうがいといった予防策は継続して行うようにしてください。
肺炎とは細菌やウイルスなどの病原体が肺に感染して炎症を起こして生じる疾患です。病原体が排除できず、全身の免疫力が低下している状態になると感染して発症しやすくなります。なかでも高齢者や基礎疾患をお持ちの方が感染しやすく、発症すると治りにくいです。
現在日本人の死因の第5位となっている肺炎ですが、その肺炎で亡くなる方の約97％（厚生労働省. 人口動態統計（確定数）2017年）が65歳以上の高齢者と言われています。
先にも述べたように肺炎の原因となる病原体は様々あると言いましたが、最も多い原因菌とされているのが肺炎球菌です。これは成人が発症する肺炎の20～40％にあたると言われています。したがって、肺炎球菌ワクチンを接種すれば、肺炎球菌による肺炎の感染症にかかりにくくなるほか、万一感染しても重症化する可能性が低くなります。
このようなことから、高齢者の方の肺炎球菌ワクチンの接種は定期接種（費用の一部助成）となっております。対象となる方はお住まいの自治体の公式HP※を参照するなどして、可能な限り接種を受けるようにしてください。
また、この肺炎球菌ワクチン接種は1年通じて可能です。ただし、5年以内に再接種を受けると、注射部位の痛みが強く出ることがあるので、再接種を希望される方は5年以上の間隔を空けるようにしてください。
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肺炎球菌ワクチン接種費用：8,000円 （※自費診療価格となります）
風疹とは風疹ウイルスの感染によっておこる急性の発疹性感染症です。咳やくしゃみなどを吸い込んで感染する飛沫感染で伝播します。 感染すると約2～３週間後に発熱、発疹、リンパ節腫大などの症状が現れます。ごくまれに脳炎などの重篤な合併症が発症することもあります。また、妊娠中の女性(妊娠２０週頃まで)が風疹ウイルスに感染すると、眼や耳、心臓などに障害をもつ(先天性風疹症候群)子どもを出血する可能性があります。発疹の出る前後１週間は周りの人に感染させる可能性があります。
近年、日本で風疹の流行の報告が増えてきています。
風疹の予防としては予防接種が最も有効です。風疹ワクチン（主にMRワクチン(麻疹風疹混合ワクチン)）を２回摂取することで95％以上の人が免疫を獲得することができるといわれています。平成２年4月２日以降に生まれた人は２回、公費でワクチンを受ける機会がありましたが、昭和３７年度から平成元年度に生まれた女性、昭和５４年から平成元年度に生まれた男性は受けていても１回、昭和５４年４月１日以前に生まれた男性は１回も公費でワクチンを受ける機会がありませんでした。
そのため昭和３７年度４月２日～昭和５４年４月１日までに生まれた男性や妊娠希望も女性・その配偶者、妊娠している女性の配偶者などに対しては風疹ワクチン接種に対して助成が行われるようになってきています。
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MR(風疹麻疹) ワクチン接種費用：9,000円 （※自費診療価格となります）
